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【イケメン戦国】燃ゆる華恋の乱

第38章 一触即発禁止令 / 明智光秀





「堪えきれなくて達したか、お前は本当に可愛いな」



後ろから頭を撫でていると、舞はばっとそれを振り払い……
振り向くと、涙目になって言い放った。







「光秀さん、もう触っちゃ駄目ですっ!!!」








まさかこの一言が、受難の日々の始まりとは。














―――…………














「光秀……お前最近、機嫌悪いな」



軍議後、政宗にそう声をかけられ、光秀は不機嫌そうに振り向いた。

機嫌が悪いどころではない。
死活問題に直面していて、精神はボロボロである。
光秀は一旦押し黙った後、ボソッと呟いた。



「舞が……」
「なんだ、舞絡みか」
「触れさせてくれない」



あまりに切羽詰まった声色に、政宗は若干引きながらも、とりあえず理由を訊いてみる。



「なんかあったのか?」
「舞の可愛さは異常だ」
「は?」
「乱れると、なんであんなに可愛く啼くんだ」
「俺は惚気ろとは言ってないぞ」
「まぁ聞け」



光秀は頭痛そうに額を押さえ、話を続ける。



「あんまりいい声で啼くから、もっと啼かせようと弱い所ばかりを攻めていたら」
「うん」
「もう触れるなと言ってきた」
「……」
「あんなに悦んで悶えてたのに」
「……それでお前はそれを忠実に守っていると」



押し黙ったところを見ると、その通りらしい。
政宗はぶっと吹き出し、豪快に笑い出した。



「何が可笑しい」
「おま……相当舞に毒されてんな」
「……嫌われたくないだろう?」
「嫌われるのが嫌って……嫌われ者上等のお前の言葉とは思えないな」
「五月蝿い」



(俺にとっては、この上ない大問題だ)



舞はあれから、ことごとく自分に触れられるのを避けている。

褥を共にするどころか、警戒して、あまり側にも寄ってこない。

理由が解らない以上、嫌がるのを無理やり触れるのも……と思い、我慢していれば身体が疼いて止まらない。

ハッキリ言って、にっちもさっちもいかない状況に限界が来ていた。



(これ以上は、本当に耐えられん)



とりあえず政宗の笑いが引っ込むのを待っていると。
政宗は涙を流してひーひー言った後、必死に笑いを引っ込めて光秀に言った。



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