• テキストサイズ

【イケメン戦国】燃ゆる華恋の乱

第35章 純恋花〜君が知らない罪と罰〜 / 豊臣秀吉




(本当に格好悪いったら、ありゃしない)


自分が舞を相手出来れば一番いいのだけど。
御館様の側近故に、大名達への振る舞いに気を遣わねばならないのは、必須で。

てか、光秀。 お前も接待、手伝えや(二度目)



「あれ……?」



再度舞達のほうに視線を向けると、なにやら空気が変わった様子に、思わず怪訝になる。

舞が真っ赤な顔をして、政宗にもたれ掛かっているではないか。

政宗は政宗で、ちゃっかり舞の肩を抱き……

家康は頬を突っついているし、やりたい放題だ。



「あ…んの野郎……っ!」
「秀吉様?」



不思議そうな三成から水の杯を奪い、ずかずかと歩いて四人に近づく。
と、政宗達の会話が耳に入ってきた。



「舞、見事に酔いつぶれちゃいましたね」
「やれやれ、部屋に運んでやるか」
「送り狼になるなよ、政宗」
「そこは狼にならなきゃ、男が廃る」



(……っ! 狼にさせてたまるか!)



「おいっ、いい加減にしろ!」


突然頭の上から怒鳴られ、光秀以外の二人はびくっとなった。

般若の顔をした秀吉に、政宗は特に動揺もせず、しれっと答える。


「よーお、秀吉」
「舞、潰れたんだろ? 部屋まで運ぶから離せ」
「よく見てんな、俺が運ぶから大丈夫だ」


舞を抱き抱えるので、秀吉はその腕を掴んだ。
そして、タレ目をこれでもかと言うほど吊り上げる。


「舞に触んじゃねぇ」
「触らなきゃ、運べないだろ」
「だから、俺が運ぶ。 離せ」
「大丈夫って言ってんだろ」
「じゃあ、俺が」
「「家康は黙ってろ!」」


二人の声が見事にハモり、家康はたじっとたじろいだ。


「舞に色目使いやがって、野獣が!」
「そりゃこっちの台詞だ、お前は大人しく兄貴の座に座っとけ!」
「舞は俺のなんだよ!兄貴じゃねぇ!」
「兄貴のがお似合いだ、タラシ魔が!」


掴み合って、ギャースギャース言い合う二人に、家康がしれっと割って入った。


「あの、お二人さん」
「舞は俺のだ!」
「誰が決めたんだ、んな事!」
「お二人さんや」
「「うるせーぞ!」」


家康は明後日を指差し。




「光秀さんが舞連れてっちゃいましたよ?」




/ 523ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp