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【イケメン戦国】燃ゆる華恋の乱

第35章 純恋花〜君が知らない罪と罰〜 / 豊臣秀吉




「真っ暗だから、居ないかと思った」


明かりを持った舞が近づき、傍まで来たところで、ようやくその姿を確認出来る。

その姿を見た途端、秀吉は思わず息を呑んで立ち上がった。


「…っどうしたんだ、その格好」


舞はとても綺麗な打掛を着ていた。
中は薄水色の着物で、淡い桃色の上に散りばめられた花々が、とても可愛らしい色打掛の格好。

まるで祝言のような、その姿。

舞は暗闇でも解るくらい頬を染め……
少しはにかんだ様子で口を開いた。


「信長様が、今日の宴会で着ろって仰って」
「御館様が?」
「うん、せっかく夜桜での宴会だし、遠方から大名様も数人見えるからって」


(成程な、大名対策か)


表向きは、織田家の……信長様に関わる姫と言う事になっている。

だから、それなりの振る舞いをしなくては、と言う理屈も解るのだが……


(今、この姿はちょっとまずい……っ)


あんな夢を見た後で、しかも身体が火照っている状態で。
こんな愛らしい姿を見せられては、収まるどころか逆効果。

一気に高まりが上に反り返ったのが解り、秀吉は思わず顔を歪めた。


「……っ」
「どうしたの?」
「いや、何でもない。 良く似合う、可愛いな」
「ありがとう……っ」


そう言って恥ずかしそうに俯く舞。
それを見ていたら、天秤にかけていた理性と欲望の度合いが、一気に欲望の方に傾いた。


「舞、ちょっと……」


そう言って、舞の腰を引き寄せ、顎を取る。
よく顔を見ると、いつもとは違う化粧で……

その大人びた色香に、気持ちが一気に加速する。
秀吉は衝動を抑えきれず、そのまま唇を重ねた。


「ん…っんぅ……っ」


甘い吐息を奪って、舌を差し入れる。
舌先から蕩かすと、舞もやわやわ絡めてきた。


(頭、蕩けそうだ……)


思わず引き寄せた手で腰をまさぐり、顎から手を離し首筋に滑らす。

すると、舞が口付けの合間から抗議してきた。


「ま…って、秀吉さ……っみんな待ってる、から…っ」
「みんな?」
「宴会の、準備出来た…っのに、秀吉さんの、姿が見えない、から……っん…っ」



ちょっとうたた寝のつもりだったのに、もうそんな時間になってしまったらしい。
秀吉は名残惜しく唇を離した。
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