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【イケメン戦国】燃ゆる華恋の乱

第34章 桜の追憶『狂想恋歌』 / 石田三成




君を想う。
心に想いを吹き込んだ、君へ。

進めなかった私の。
背中を押してくれた、愛しい君へ。








「三成君っ!」










安土城内を走っていたら、視線の先から天使が走ってきた。

純白の、西洋の花嫁衣装に身を包み。
零れんばかりの笑顔で。

天使なのに、何故羽根が無いの?





「舞……っ!」






腕に駆け込んできた天使を、ふわりと抱き上げる。

羽根がないのに、とても軽い。
あまりの美しさに見惚れていると。

天使は頬に口付けてきた。




「……っ」
「三成君」





そのまま、花びらのような桃色の唇で、言葉を紡ぐ。






「めいいっぱい、幸せになろうね」







(ああ……最高に幸せだ)











「勿論。 貴女が居れば、一生幸せです…舞」








顔を見合わせて、笑い合う。

この幸せを、どんな言ノ葉で伝えよう。




君を想う。
心に、溢れんばかりの愛しさを教え込んだ君へ。

時々、立ち止まる事があっても。

きっと君が居れば。
笑って乗り越えられるから。

君の一生を貰った代わりに。
私の来世の分まで、君にあげよう。

きっと来世でも、結び合えると。
信じているんですよ?





桜は咲く。
いつか、儚く散る。

その、一瞬の咲き誇る煌めきに想いを込めて。

君の身体に、心に。

私だけの花を咲かせてあげる。
















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