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【イケメン戦国】燃ゆる華恋の乱

第31章 可憐気パンデミック / 明智光秀




帯はすっかり解かれ、前ははだけて、襦袢も乱れている。

すでに、その胸元には、いくつも赤い痕があり……

両腕は上に持ち上げられ、頭の上で両手首を縛られていた。
動かしても、手首の紐は解ける気配すら感じられない。


「光秀さ……っあっ」


首筋にちゅうっと吸い付かれ、舞は焦がれたような声を出した。

その声を無視して、光秀は音を立ててついばみながら、首筋から鎖骨に唇を這わせる。

そして、その付けた痕を指でなぞり、ぺろりと舌なめずりをした。


「何故こんな事になってるか解らないか?」
「……っ」
「じゃあ、思い出す手助けをしてやる」


光秀はそう言うと、舞の頭を優しく撫でた。
そして、とても柔らかい声色で言う。




「舞、こんな所で寝ていると風邪ひくぞ?」




舞はその言葉に目を見開いた。
瞬時に頭に過ぎる、夢の記憶。


「だって、あれは……っ」


舞の言葉を聞かず、光秀は縛ってある舞の手を前に持ってきて、自分の髪に触れさせる。

そして今度は、皮肉っぽく呟いた。




「おい、舞。 誰が猫っ毛だって?」




「……っ!」


言葉を詰まらせる舞の手を、また頭の上に持っていき、覆いかぶさって耳元で囁いた。


「思い出したようだな」
「あ、あれは……っ」
「でもあの時は寝言のようだったが……それが解るって事は、確信犯と言う事か」
「その、夢で……っんんっ」


耳たぶを吸うように甘く噛まれ、舞は身体をびくっと跳ねさせる。

噛んだまま、舌でふちをなぞられ……
みるみる舞の瞳に涙が溜まっていく。


「夢でも見ていたのか、俺ではない、他の男を」
「ち、違……っ」
「確かに周りに俺達の関係は秘密にしてある……しかし、だからと言ってこれは変わらん」


光秀は舞の髪を一束すくい、それに口付けた。


「お前は身体も、心も、この髪や爪先一つも……全て俺のものだと言う事はな」


舞はきゅっと口をつぐんだ。
いつもいつも意地悪で、人をからかってばかりなのに。

今はこんなに余裕なく、瞳も熱に揺れている。


「光秀、さん……」


ようやく声を絞り出し、舞は光秀に問いかけた。



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