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【イケメン戦国】燃ゆる華恋の乱

第31章 可憐気パンデミック / 明智光秀





(無防備だな、キツく言わないと……)


「秀吉、光秀!」


そう思っていると、今度は政宗がやって来た。
舞曰く……


「……結構髪が柔らかい政宗、か」
「あ? なんだ、いきなり」
「戯言だ、気にするな」


いつもの小憎らしさがない光秀に、政宗は秀吉に、こそっと告げ口をする。


「なんか光秀、変じゃないか……?」
「やっぱりそう思うか?」


そんな事を言っていると、いきなり光秀が政宗の頭を、わしっ!と掴んだ。
ほぼ同じくらいの身長の男に頭を撫でられ、政宗は引きつった笑みを浮かべる。


「……おい、なんの真似だ、光秀」
「確かに家康ほどではないが、髪が柔らかいな」
「なに舞みたいな事言ってんだ」
「……いつ舞にそれを言われた?」
「髪に寝癖がついてるって触られた時だな、確か」


自ら男に触れるとは……
その後、どうなっても良いのだろうか。


「何気にしてんだ、舞はしょっちゅうだぞ」
「頻繁に触られると?」
「この前は三成とじゃれ合ってたぞ? あいつら仲良いよなぁ、秀吉」
「三成にも春が来たかもしれないな」


(ほくろの件はその時か……)


ここだけの話、舞と恋仲であると言う事は、信長しか知らない。

あまり公にされると舞の身が危険に晒される……自分は裏の仕事に手を染めているから、特に。

欺くなら、味方からだ。
無論、信長にはあっさりバレたので言ったが。


(しかし、こんな事態に陥っていたとは……早急に手を打たねば)


「ところで政宗、何か用か」
「秀吉、さっきの報告書あるか。 もう一箇所、修正点があって……」


何やら言い合う秀吉と政宗を尻目に、光秀は上の空だった。
何故……こんなに気に食わないのだろう。

恋仲になる前から、秀吉や政宗が舞の頭を撫でたりするのは見ていたし、三成に至ってはあの鈍感さから危うい時など多々あった。

そもそも舞が無防備なのは前からだ。

いちいち気にしていられないので、上手く交わしてきたのに……

何故だろう、今になって非常に腹立たしい。
舞には自分以外は触れて欲しくない。

また蝕む、えげつない感情。
舞をとことん傷つけ、そしてとことん甘やかしたい。

そんな未知の……何か。




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