第30章 純恋花〜君に狂った花になる〜 / 豊臣秀吉
「秀吉さ……」
「解ってんのか? 自分がどれだけ可愛くて無防備なのか」
「なにそれ……っ」
「何、政宗に唇許してんだよ……ここは、俺だけの物なのに」
舞の唇を、つーっと指でなぞる。
喉がこくりと言ったのを聞き、秀吉はくすっと笑った。
「悪い、さっきの口付けじゃ足りなかったか」
「え、違……っ」
「欲しいんだろ? くれてやる……だから、もっと寄越せ」
秀吉は、再度舞の唇を塞いだ。
舌をねじ込んで、甘い甘い舞の口内を味わう。
口付けたまま、舞の両手は頭の上で、右手一本で固定し、左手では舞の着物に手をかけた。
政宗が直したその衿元を乱し、現れた白い肌をまさぐっていく。
「秀吉、さん……っ待って、あ……っ!」
きゅっと胸の先を摘まれ、舞はびくんっと身体を跳ねさせた。
痛いくらいに、こりこりと弄ばれる。
息を荒げながら身をよじる舞に、秀吉は意地悪く耳元で囁いた。
「ここ……綺麗な桃色で純粋なそう割に、すごくいやらしく硬くなってるな」
「……っ」
「乱暴にされるの、好きなのか? だったら、もっと早くこうすれば良かったな」
そう言って舞の顔を見る。
悪くない身体の反応だから、さぞかしいい表情をしてるんだろう。
しかし。
(え…………?)
その表情を見て、秀吉は思わず手を止めた。
舞は目をぎゅっとつぶり、真っ赤な顔をして。
声を殺して泣いていた。
「舞……」
「ご、ごめんなさい、秀吉さん……っ」
舞は、ひっくひっくとしゃくり上げ、掠れた声で言った。
「私、政宗に唇許してないよ…っ、まつ毛は取ってもらったけど、何もされてないよ……なんで秀吉さんが怒ってるのか解らないけど、でも、秀吉さんを怒らせたなら、ごめんなさい……」
(…………っ!)
怯えたように、小さく身体を震わせ……
その姿を見た瞬間、秀吉は冷や水を浴びせられたように我に帰った。
そして、そんな舞の姿が堪らなくなって……
そのまま舞の身体をぎゅっと抱き寄せた。