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【イケメン戦国】燃ゆる華恋の乱

第30章 純恋花〜君に狂った花になる〜 / 豊臣秀吉





「俺、自分がたまに、おかしいんじゃないかと思う時があるんだ。 舞の事が、好き過ぎて」



舞が自分の心を、丸ごとかっさらっていった、その時から……

何かが大きく変わった。

いつの間にか、自分の中心が舞になっている事。


それに、兄妹だった頃のが、大人な対応をしていたと。

今は些細な事で嫉妬してしまうし、そんな自分がすごく格好悪い。
ちょっとした事が気になったり、不安になったり……

今まで培ってきた、大人の余裕ってやつは、どこに消えてしまったのか。

舞はいつでも大人の余裕で接する、そんな自分を好きになったのではないかと思うと……



「だから、まだ身体も重ねられない。 抱きたいなんて……男の欲望丸出しだからな。 そんなのは、見せたくないし」
「……」
「悪い、ただの愚痴だな、忘れてくれ」



家康は静かに秀吉の話を聞いていたが……
やがて、ふっとため息をつき、口を開いた。



「相変わらず……クソ真面目ですね」
「え?」
「いい変化なんじゃないですか? そーゆー格好悪いとこも秀吉さんの一部って事ですよ。 おかしくはないでしょ」
「そーゆーモンかな……」
「それに」



家康がいぶかしげに秀吉を見る。



「秀吉さんが、そーやって虚勢張ってる限り、いつまで経ってもその悩み、解決しませんよ?」
「虚勢なんて、別に……」
「余裕ないなら、素直に舞に抱きたいと言えばいいんです。 そこ、我慢するとこじゃないでしょ」



それを言われ、秀吉は思わず苦笑して、家康の頭をわしゃわしゃと撫でた。



「お前から素直にって言われても、説得力ないな」
「……っ、悪かったですね、ひねくれ者で」
「でも……言う通りかもしれないな」



舞と居ると、見せかけの余裕なんて、引っぺがされてしまう。

もっと本音でぶつからないと……
この悶々とした悩みは、いつまで経っても終わらないかもしれない。



「ありがとうな、家康」
「今度なんか奢ってくださいね」
「解った、なんでも」



少し浮上した様子の秀吉に、家康は満更でもなく、眩しい視線を向けた。



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