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【イケメン戦国】燃ゆる華恋の乱

第28章 純愛の手ほどき、シテくれる? / 伊達政宗





「俺がそれとなく話しておいてやる。 男同士のほうが、気持ちも解るしな」
「秀吉さん……」
「だから、舞もちゃんと政宗に謝れよ?」
「私……政宗に嫌われちゃったかな」
「そんな事で嫌いになるか。 あいつがどれだけ舞に惚れ込んでると思ってる」


そう言うと、舞は涙を拭いて笑顔になった。

可愛い妹が男に抱かれる手助けをするなんて、本当はしたくないけれど。
舞が泣くのは、もっと嫌だ。

秀吉は少し複雑な気持ちを封印し、舞の頭をぽんと撫でた。
























「殿方を悦ばせる手法が書かれた文献…ですか?」


安土城の書庫で、三成は目を丸くさせて、真っ赤になる舞を見つめた。

書庫で仕事をしていると、珍しく舞がやってきたので、何気なく声を掛けたら……

至極真面目な顔で、尋ねられた。


「そ、そんなの無いかな……」
「悦ばせると言われましても、ざっくばらん過ぎて……もっと詳しくお訊かせ願えますか」
「え、それは……っ」
「はい」


邪気のない笑みで微笑まれ、舞は思わずたじろいだ。

しかし、尋ねるのは一時の恥、尋ねないでいるのは一生の恥。
そんなことわざが、あった気がする。

舞は決死の覚悟で口を開いた。


「男の人が女の人との行為の時に、気持ちよくなれる方法が書かれた本が、欲しくて……」
「……は?」
「ちょっと待て、そこまでだ」


その時、誰かが後ろから舞の手首を引いた。
舞はびっくりして、反射的に振り返る。

すると不機嫌そうな青い瞳が、自分を見下ろしていた。


「ま、政宗?!」
「光成、悪いな。 こいつちょっと変な事言ったみたいだが、気にするな」
「はぁ……」
「舞、行くぞ」
「ちょっと……っ、政宗…っ」


政宗に手首を引っ張られ、そのまま引きずられるように舞は書庫を後にした。

一人残された光成は、それをぽかーんと見つめ……


「……初夜の手引書とかでいいんですかね」



やけに的を得た独り言をぽつんと呟いた。



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