第3章 愛しい爪先に口付けを / 伊達政宗
帯を解き、着物も襦袢も剥いで、舞の素肌を晒していく。
「舞…、俺がお前の熱を解放してやる。お前が苦しむものは全て、俺が斬って捨ててやる」
「政宗……っ」
「大丈夫、心配するな。 お前はただ、俺に抱かれていればいい」
足の爪先に口付けようと、身をかがめる。
すると、何かが懐から、するりと褥の上に滑り落ちた。
(舞が飲んだのと、同じ媚薬…)
その物の正体を確認するや否や、政宗はそれを素早く拾い上げ、蓋を開けた。
甘ったるい匂い。
こんなものが、理性すら狂わせるのか。
「ふっ、おもしれぇ」
政宗は躊躇いもせず、一気にその薄桃色の液体を喉に流し込んだ。
喉が焼けるように熱い。
甘い匂いが鼻から抜けて、むせかえりそうになる。
「は、あ……」
政宗は熱い吐息を吐き、手の甲で口元を拭った。
多分、四半刻経てば、舞と同じ状態になるのだろう。
それでもいい、舞を愛しているのだから。
「堕ちる時も、一緒だ。 絶対離さない」
誓いを立てるように、政宗は舞の足の甲に、口付けを落とした。