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【イケメン戦国】燃ゆる華恋の乱

第23章 素直になれない君が好き / 織田信長





『復讐の機を狙って、城下内に潜んでいるものと思われます』



(まさか……な)


何か、嫌な予感がする。
まさか、舞は何か事件にでも巻き込まれたのではないか。

秀吉も同じ事を思ったのか、少し焦るような口調で信長に言った。



「直ぐに舞を探させます。 御館様は天守でお待ちを」
「……いや」


信長は、ひらりと羽織をひるがえした。


「俺が行く」






















「ん……」

舞は何かに引き寄せられるように目を覚ました。
意識が朦朧とする中、必死に視界を定める。

カビ臭さと、ホコリっぽい臭い。
それに、見慣れない天井。
ものすごく手首と足首が痛いし……



(…………っ)




そこでようやく、手足を縛られ、転がされている事に気がついた。



「や……っ」



反射的に縄を解こうともがく。
すると物音に気がついたのか、引き戸が開いて、男が二人入って来た。



「目を覚ましたか」
「大人しく寝ていればいいものを……」
「……っ、あなた達は、さっきの」



この男達には見覚えがあった。
市で声をかけてきたかと思ったら、いきなり殴られて……

舞は下から男達を睨み上げた。



「なんなんですか、あなた達は! 私を一体どうする気ですか?!」
「やれやれ、気の強い娘だ」
「信長の寵愛する娘とは、本当にこの娘なのか? 何処からどうみても普通の女だが」



(信長様の寵愛する娘?)



「なんの……話ですか?」
「風の噂で聞いた、信長は舞と言う名の娘を寵愛していて、傍に置いていると」
「その娘を手篭にすれば……我が主君の無念も晴れると言うものよ」
「え? 何言って……きゃっ」



突然、男の一人が舞の顎を掴んだ。
そして、舞を品定めするように隅から隅へと見つめ……
にやりと不気味に笑った。



「お前が我らの手に落ちたとなれば、落胆する信長の顔が目に浮かぶわ。 力で叶わぬなら、精神的にいたぶるのみ……恨むなら、信長を恨むんだな」



「っ!」

突然、男が舞の首筋に噛み付いた。
そして乱暴に着物の襟を掴み、広げて着物を乱していく。



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