• テキストサイズ

【イケメン戦国】燃ゆる華恋の乱

第21章 甘味よりも甘い物 / 明智光秀




その頬が、小刻みに震えている。

必死に気持ちを伝えてくれているのだ、と。
堪らない気持ちになった。



「やれやれ……」



やがて、光秀はクスリと笑い。
観念したかのように口を開いた。



「お前ばかりに言わせる訳にはいかないじゃないか」
「え……?」
「し……、いい子だから、少し黙っていろ」



光秀は、そのまま優しく舞を引き寄せた。
ふんわりと小さな身体を腕に包み込む。

むせ返るように甘い香りが広がって、胸が詰まった。



「……少し、顔を上げられるか」



光秀の言葉に、舞が無言で顔を上げる。

瞳が微かに潤んでいるのを見て……
引き寄せられるように、唇を塞いだ。



「ん…………っ」



舞の口から甘い息が漏れる。
その吐息を全て奪うように、深く深く口付けた。



「ん……っ、あ」



唇を割り、舌を忍び込ませて、絡めとる。
何度も何度も角度を変え、柔い場所へ噛みついた。


舞の身体から力が抜けたところで、唇を離す。
倒れないようにしっかり支えながら、舞の耳元で囁いた。




「……俺も、お前が好きだ」




舞の身体が、ぴくっと跳ねる。
そっと顔を伺うと、舞は真っ赤な顔をして、睨むように見ていた。



「……なんて顔をしている」
「だ、だって……んっ」



言葉を遮って、また口付ける。
甘い痺れが走って、それは全身に広がった。


ちゅ……っと音がして再度唇が離れる。


舞は立ってられないと言ったように、身体を預けてきた。



「……これは冗談とか、意地悪じゃないですよね?」
「だったら、どうする」
「え……っ」
「冗談だ」
「…………もうっ」



舞が小さく唸るので、こつんと額と額とをくっつける。

すると、舞は目を覗き込んで……
微かに笑った。



「どうした」
「なんでもないです、ただ……」
「ただ?」
「幸せ、です」
「……俺もだ」



そう言って、また唇を重ねる。

離しては口付け、離しては口付け……


飽きることなく。
お互いの気が済むまで、唇を重ねあった。



/ 523ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp