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【イケメン戦国】燃ゆる華恋の乱

第19章 Border Love / 信長ルート





舞の帯を結んでやり、髪も結い上げて簪を刺す。
少し桃色がかった紅い着物は、舞の白い肌を映えさせ、信長は満足げに頷き。


そして、仕上げの紅を懐から取り出した。


「舞、紅を差してやろう」
「紅……ですか?」
「南蛮品だが、良い紅だ。 きっとよく似合う」


そう言って、舞と対峙すると、長い小指で少し紅をすくい。


「……っ、信長様?」


何を思ったか、信長は自分の唇に紅を差した。

そして、熱っぽい瞳で舞を見つめる。
紅を差した紅い唇が、艶々と妖艶につやめき……

なんとも言えない煽情的な表情に、舞は思わず息を呑む。



「……舞」



信長は優雅な仕草で、舞の顎を捕らえ。
そのまま、その紅い唇を、舞の唇に重ねた。



「ん……っ、ふぅ……っ」



熱い舌先が唇から滑り込み、舞は熱い息を漏らした。


ちゅっ……ちゅう……っ


甘い水音が部屋中に響く。
舞が信長にすがりつくと、信長は腕を回し、舞の身体を閉じ込めた。





(舞……っ、愛している。 俺のものになれ)





それだけを思い、ひたすらに唇を重ねる。

狂ったような、この感情。
もう、身体だけでは全然足らない。
身体も、心も、舞の髪一本一本でさえ。

全て自分のものにしたくて。
抑えきれない激情を、全て受け止めてほしくて。




(舞、貴様が欲しい、うつけと言われても)





願いを唇に込めて、送り込んだ。

長く長く唇を重ね……
ようやく離れると、舞は涙目で荒い息を吐いた。

紅は舞の唇に移り、見事に美しく染め上げる。



「似合うぞ」
はみ出した紅を指で拭いながら、信長は優しく笑った。

舞は何か言いたげに、信長を睨みつける。
その表情に、整えた着物ですら暴きたくなったが。

必死に堪えて、余裕のあるフリをする。


「政宗を呼んできてやれ。 何処かで待っている筈だ」
「わ、解りました…」



舞は赤い顔をしながら、立ち上がった。
それを見上げ、信長は最後に一番重要な事を告げた。


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