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【イケメン戦国】燃ゆる華恋の乱

第17章 Border Love / 信長、政宗





その言葉が耳に入ったのか、舞はぴたっと立ち止まった。



「舞?」
「……っ、政宗、ごめん……っ」



ドンッ!

舞は政宗の胸を突き飛ばした。
よろけたところで、するりと政宗の腕から抜け出す、

そのまま小走りをし……
信長の胸に抱きついた。


(え……?)


政宗は呆然と、その様子を見ていた。
信長はしっかり舞を胸に抱き締める。


「いい子だ」


信長は舞の頭を撫でた。
そのまま二人で立ち去ろうとするので、政宗は必死の思いで駆け寄り、信長の肩を引く。


「待て、舞はやれないと言った筈だ」

あまりの凄みを帯びた口調。
しかし、信長は軽い動作で、肩から政宗の手を振り払った。


「今、舞が俺の腕にいるのは、自らの意思だ」
「だからと言って……」
「まぁ落ち着け。 俺は貴様とて無下にはしない」


信長は、射抜くように政宗を見た。
そして重々しく告げる。


「明日、戌の刻に天守の自室に来い。 全てをはっきりさせる」


もう、それ以上は何も聞けない空気で……
政宗は二人が立ち去るのを、何も言わずに見守った。





















(切腹か、やっぱ)


次の日、戌の刻近く。
政宗は重い足取りで安土城の天守に向かっていた。

逃げても良かった。
しかし、舞の事を考えると出来なかった。


いくら同盟相手とは言え……
天下の信長に盾突いたのだ。
それなりの罰を考えていた。



(舞は、どうしただろうか……)




昨日は夜伽をと言う命令だ。
普通に考えて、信長に抱かれたと思って間違いないだろう。

ものすごく腹が立つが……
昨日は舞が望んで、腕から逃げたのだ。



「くそ……っ」


天守入口の壁をこぶしで叩く。
煮え切らない想いは今日で決着がつくのだろうか。


やがて、信長自室の前まで来て。
声をかけ、入ろうとした時だった。



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