第17章 Border Love / 信長、政宗
「行くな」
「え……?」
「夜伽だよ、嫌なんだろ?」
すると、舞は少し寂しそうに微笑み……
首を横に振った。
「ううん、嫌じゃないよ」
「嘘付くな」
「嘘じゃないよ…私を必要としてくれているの」
「でも……っ」
言いかけた政宗の唇を、舞の指が止める。
まるで、もう何も言うなと言うように。
「ありがとう、政宗。 私は大丈夫だから」
その顔は全てを悟っているかのようで。
政宗は堪らなくなり、その指を振り払った。
「……じゃない」
「え?」
「俺が、大丈夫じゃ、ない……っ」
政宗は舞の身体を引き寄せた。
何度、信長に抱かれてきたのだろう。
その小さく華奢な身体を力一杯抱き締める。
「政宗……っ」
「俺が必要としてやる」
「え?」
「俺がお前を必要としてやる、身体が疼くなら……俺がこの手で抱いてやる、何度でも」
表情を伺うと、舞は目を見開いて見ていた。
その瞳が月の光で、煌めき揺れる。
まるで自分を誘っているように見えて。
政宗は衝動に駆られて、そのまま舞の唇を塞いだ。
「ふ……っ、ん……っ」
舞の口から儚い息が漏れる。
その吐息ごと奪うように、角度を変え、何度も舌を絡めた。
逃げそうな腰もしっかり片腕で抱え、引き寄せる。
「ん……っ、まさむ……っ、あっ」
ついばんで唇を離し、首筋に吸い付いた。
先ほどの痕を消すように、上から強く口付ける。
よく見ると、口付けの痕は一箇所ではなく……
首の至るところに赤く咲いていた。
それを一つ一つ塗りつぶすように唇で這う。
舞が堪らないと言ったように、熱い息を漏らした。
「んぁあ……っ、政、宗、だめ……っ」
「なんで、信長様には身体を許すんだろ?」
舞は身をよじるうちに、だんだん前がはだけ。
白い胸が現れ、政宗はすかさずしゃぶりつく。
舌で刺激し、唇でも何度も吸い付いた。
「あぁっ、あ……っ、まさむ、ね……っ」
「舞、俺、お前の事が……」
『好きなんだ』
そう言葉を発しようとした時だった。