第14章 禁じられた遊び / 信長、政宗、秀吉
あとは、舞の番号だけ解ればいい。
信長は隣にいる舞の手元に、さっと目を向ける。
(……一番か)
「俺が王だ。 さて、どうするか」
信長は思わせぶりに悩んだ振りをして……
不敵に笑い、命令を下した。
「では、一番。 俺に口付けしてもらおうか」
途端に、舞が挙動不審になる。
ここまで素直だと、かえって可哀想にもなってくるが……
「一番は誰だ」
「わ、私です……」
「舞か、口付けしろ。 無論、唇にだ」
舞が、あわあわと目を回している。
秀吉と政宗は、見てられなくなって、助け舟を入れた。
「かすめる程度で大丈夫だ」
「そうそう、深く考えるな」
「何を阿呆抜かす、舌も絡めるに決まっている」
今度は信長がしれっと答える。
舞は真っ赤になっているが、王の命令は絶対と言う決まりだ。
「早くしろ」
「は、はいっ」
舞は観念したように、信長の前で膝をついた。
肩に手を乗せ、ごくりと唾を飲む音が聞こえる。
「し、失礼します……」
舞はゆっくり顔を近づけて、唇を重ねた。
「ああ……」
秀吉と政宗が悲痛な声を上げる。
唇が触れた瞬間、信長は舞の唇を割り、舌を口内に差し入れた。
「んんっ……」
舞もなんとか、やわやわと絡めてくる。
信長は舞の頬に手を当てると、全て味わうように、更に深く口付ける。
「ん……っ、あっ」
舞の声が漏れるが気にしない。
角度を変えて、何度も何度も深く口付け……
ようやく、ちゅ……と音とともに離した。
信長と舞の唇の間に、つ……と銀糸が伝う。
『割りかし、濃厚だったな』
『信長様相手が苦言も出来ないだろ』
そんな秀吉と政宗のひそひそ話が聞こえ、舞はさらに真っ赤になる。
「も、もういいでしょう……次行きますよ、次っ」
舞は信長が握り直したくじを一本引くと、ぷいっとそっぽを向いた。