騎士のkissは雪より優しく【うたの☆プリンスさまっ♪ 】
第2章 恋桜
「おかーさん…。」
けれど、しばらくすると女の子はまた寂しそうに俯いてしまう。
「ねぇ、お姉さんたちと一緒に歌おっか!」
笑顔で声をかけると、女の子は
「うん!歌うの好き!」
と顔をあげて、笑い返してくれた。
3人で色々な歌を歌いながらお母さんを探し続けた。
何曲か歌い終わったとき、
「あの…」
と後ろから声をかけられた。
振り返ると、綺麗な女の人がいた。
「おかーさん!!」
女の子はパッと手を離しその人に抱きついた。
「良かった…!
娘を見つけてくださり、ありがとうございます!」
「いえ、見つかって良かったです!
この子、とっても良い子ですね!」
女の子のお母さんは、わたしの言葉に安心したように頷いた。
「本当にありがとうございました。
探していたら、娘の楽しそうな歌声が聞こえて…。」
「うん!すっごく楽しかったの!
おねーさん、おにーさんありがとー!」
わたしと真斗はしゃがんで
「うん!お姉さんも楽しかったよ!」
「お母さんに会えて良かったな…。」
と笑った。
「では、これで失礼します。
お世話になりました。」
「おねーさんもおにーさんもばいばい!」
「ばいばい!」
「あぁ。またな…。」
2人に挨拶をして、また手を繋いで園内を歩いた。
「可愛かったなぁ…。」
「そうだな…。
…そういえば、この後はどうする?」
「えーっと…。」
それからはクレープを食べたり、コーヒーカップに乗ったり、お土産を見たり遊園地を満喫した。