騎士のkissは雪より優しく【うたの☆プリンスさまっ♪ 】
第2章 恋桜
「そういえば、観覧車乗って無かったね…。
まぁ、もうすぐ閉園時間だからこれで最後になっちゃうけど…。」
「この時期はイルミネーションもやっているから、上から見たら綺麗かもしれんな。最後に乗ろうか。」
観覧車の所に着くと、カップルが沢山並んでいた。
改めてこういう所に並ぶとなんだか少し恥ずかしくなってしまう。
「よいしょっと!」
観覧車に乗り込み、外を眺めた。
「わぁー!こんな風になってたんだね!気付かなかった!」
遊園地全体がイルミネーションの色とりどりの光に照らされて宝石みたいに輝いていた。
「あぁ、本当に綺麗だ。
春にはここから桜がよく見えるそうだ。」
「へぇー!行きたい!!」
きっとまた雰囲気違くて綺麗なんだろうな…。
「では、また来よう。」
「うん!約束しよ!」
小指を差し出すと、向かいに座っていた真斗がわたしの方へ身を乗り出してその手を握った。
そしてそのまま顔が近づいてきて、とうとう唇が重なった。
「…んっ。あぁ、約束だ。」
観覧車の中に流れる2人だけの甘い空間に酔いそうになる。
それと同時に、真斗と次の約束が出来たことが嬉しくて、わたしは笑顔で頷いた。