• テキストサイズ

騎士のkissは雪より優しく【うたの☆プリンスさまっ♪ 】

第4章 BLUE×PRISM HEART




あれから色々とお店を見てまわったり、ご飯を食べたりしたけれど、どこに行っても真斗は声をかけられ少し困った様子だった。

帽子とマスクを買って変装をしていてもバレてしまうのだ。

「真斗、大丈夫…?」

手を繋いで歩きながら、真斗の顔を覗き込んだ。

「あぁ。しかし、お前は楽しくないのではないか…?」

真斗は寂しそうな声音で尋ねる。

「そんなことない!真斗と一緒に居られて、楽しいよ?」

にっと笑って見せると

「そうか、それならよかった…。」

真斗も安心したように言った。

「ねぇ、真斗…あの…きゃっ!!」

真斗に声をかけると、突然人の波に押されてしまい、繋いだ手が離れてしまった。

「あっ!まじだ!聖川真斗居るよ!」

「キャー!真斗くーん!!」

「聖川様こっち向いてー!」

今までで一番人に囲まれてしまい、わたしと真斗は、はぐれてしまった。

「え…っ。ま、真斗…?」

声を上げても、囲む人の勢いに圧倒され結局真斗の姿が見えないままである。

「真斗…。」

折角2人で楽しく過ごしていたのに、ここまでファンの人に迫られてしまうとわたしも下手に動けない…。

この場を2人で逃げたいけれど、どうすることも出来かった。

すると、じわりと涙で視界が滲んだ。


「奏!」

急に真斗に手を引かれ、そのままわたし達は走り出した。



人気の少ない通路まで着くと、真斗は壁に寄りかかった。

「はぁ…。突然走り出して済まない…。
お前が泣きそうな姿が見えて、連れ出してしまった。」

「ううん…。でも、あんなに人が居たのに…。」



/ 21ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp