騎士のkissは雪より優しく【うたの☆プリンスさまっ♪ 】
第4章 BLUE×PRISM HEART
よく晴れた空の下、わたしは真斗と手を繋いで歩いていた。
今日は近所に大きなショッピングモールができたというので、2人で行く約束をしていた。
「わぁー!すごい広いね!」
自動ドアを抜けると、ずらりと店が並んでいて、沢山の人で賑わっていた。
「どこから見るか迷ってしまうな…。」
「あっ!このお店可愛いー!」
わたしが見つけたのは、アンティークな小物が並ぶ雑貨屋さん。
「では、ここに入ろうか。」
真斗と店内を歩いていると、
「あのっ!」
と後ろから声をかけられた。
振り返ると、高校生くらいの女の子2人組がキラキラした目で真斗を見ていた。
「聖川真斗さん…ですよね?」
そのうちの1人が真斗の目の前までやってきて尋ねた。
「あぁ、いや、その…。」
真斗は困ったようにわたしを見た。
「写真撮ってください!あ、サインもお願いします!!」
もう1人の子もワクワクした様子で頭を下げた。
普段から一緒にいるから、最近はあまり気にしてはいなかったが真斗は人気アイドルなんだと改めて思った。
「済まないが、今はその…」
女の子たちがふとわたしを見てから、気まずそうに
「あー、ごめんなさい…。お取り込み中ですよね…。」
「行こ?…すみませんでした。」
と去っていった。
「すごい人気だね!」
「あぁ…驚いた。普段はあまり声を掛けられないから変装はしていないのだが、こういう場所では必要のようだな…。」
真斗は寂しそうな声色で言ってから、
「行こうか。」
と歩き出した。