第19章 おそ松さん《松野おそ松》
『っ!』
泣きそうな彼女の顔を見る事が出来ずに
俺の為に涙を流す彼女が堪らなく愛しくなり
思わず腕を伸ばし
自身の腕の中へと引き入れる
の身体は驚く程華奢で
驚く程熱をもち
驚く程脈を打っている
『‥‥‥松野先生‥すきです。』
腕の中で聞こえたその言葉は
バレンタインのチョコの様に酷く甘く
ゴクリと喉がなる
ゆっくりと腕の中の彼女へと顔を向ければ
ほんのりと赤らんだ顔に
グラリと頭が痺れる程の情欲にかきたたされる
「‥‥」
無防備な桜色の唇に吸い込まれる様に近く
もうすぐ手に入る‥‥‥
ぎゅっとスーツを握るに理性が戻り
パッと距離を戻せば
『やめないで』
「卒業式‥‥卒業式が終わったら
俺先生じゃなくなるから」
の肩へと頭を預け
「そしたら俺から言わせてください」
そう言えば、の体がぴくりと動き
『はい、松野先生』
そう言って笑う彼女の笑顔は
あどけなくも、色っぽく
俺はもうずっと前から彼女を生徒だなんて思ってなかったのだと気付かされた。