第18章 おそ松さん《7:松野トド松》
カーテンの隙間から差し込む光で
ゆっくりと目がさめる
手足を伸ばせば
良く寝たのだと、いつもよりすっきりとした身体がゆっている
リビングへの扉を開ければ
ちょうどベランダから洗濯物を干し終わったトド松が
こちらを見て驚いた顔をしている
「ちゃんよく寝てたね
おはよう♡」
黒目がちの瞳がにっこりと細められる
『ん、、、おはようトド松』
「もう、11時過ぎてるよ?
ご飯してあげるから先シャワー浴びておいで」
準備してあるから♡そう言いながら、ピンク色のエプロンをつけ
テキパキと動くトド松の言葉通り
私は浴室へと足を運んだ
浴室へと入れば、ふんわりとカモミールの香りが漂い
乳褐色のお湯が張ってある
『流石の女子力・・・』
私の好みのアロマオイルが焚かれたそこは
ちょっとしたサロンに来たような
上品さを醸し出している
シャワーを浴びさっぱりとしてあがると
タオルと、可愛らしい部屋着が置いてある
『ありがとー、トド松この部屋着可愛いね〜』、
某piquéの部屋着は、淡いピンク色で
シンプルでとても着心地のいいものだった
「ちゃんいつも高校の時のジャージだからね」
『めんぼくない〜』
「可愛いでしょ?僕とお揃いなんだ」
そう言ってくるりと回るトド松のピンク色のエプロンの下には、
色違いの、ホワイトの部屋着が見えた。
「どう?かわいいでしょ?」
『うんーかわいい。センスいいもんねー』
「1番抱き心地の良いもの選んだんだ♡」
その言葉に、ぴくりと反応し
トド松へと視線を向けると
きゅるるんとした効果音を出しながら
あひる口でつぶらな瞳を投げかけてくる
『あ、うん。気持ち良い肌触りだよね』
シラっと目線をそらせば
小さな舌打ちが聞こえ
「ほら、警戒心が強くなってるじゃん
闇松兄さんのせいで」
『う゛‥‥‥ねえ、お腹すいた』
「あ、ごめん!もう出来るよ」
トド松の言葉で数日前の事を思い出し
重い足取りでテーブルへとつく。