第16章 おそ松さん《6:松野十四松》
はクスクスと、笑いながら
『や、おそ松達には毎回ここで
行ってきますのキスを求められてたから
十四松にも少し警戒しちゃった』
ごめんね?自意識過剰だった。
と、少し恥ずかしそうに
クスクスと笑い十四松を見上げると
「ノンノンノン!」
十四松はカラ松の様に人差し指を左右に振ると
その人差し指を、そっとの
唇へとくっ付ける
のふっくらとした唇の
形を確かめる様に
強弱をつけ人差し指を滑らすと
十四松はにこりと笑い
「男はみんな狼でっせ」
そう言いながら唇へとキスを落とす
パタリと閉まる玄関の扉へと背中を預け
大きく数度深呼吸をする。
結局なにも反応する事ができず
小さく行ってきますを呟き扉を出てきてしまった。
セクハラオヤジの長男に
ナルシストの次男
シコ松の三男。
今までは上3人に警戒してきていたが
注意すべきは下だったか・・・
闇人形と、奇人は頭に入れていなかった自分の
甘さにがくりと肩を落とす
『あーなんかこの格好デジャヴ』
ゆっくりと息を吸い込むと
会社へと足を動き出した。