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sing sing sing!!!《短編集》

第14章 おそ松さん《5:松野一松》





もぞもぞとベッドが動く

背中から包み込まれる心地いい暖かさに包まれ

朝日で開きかけた目が
うとうとと、もう一度閉じかける



腰回りに重みを感じ
ソレは不自然な動きで上へ上へと
上がってくる



胸元まで上がってきたソレは
やわやわとパジャマの上から
形を確かめるように動くと


ヒヒッと耳元で不快な声が響く



『‥‥‥‥一松、何してんの?』



振り向かずともわかる辛気臭いオーラを
醸し出す、松野家四男へと声をかけると
動揺することもなく


「おはよう」



何ともマイペースな答えが返ってくる。



は小さく溜息をつくと
一松の腕を抓り
ベッドから起き上がる。



「いたっ」


一松は小さく声を上げると
の後を追ってリビングへとついてくる



が顔を洗いリビングへと入れば
もう朝ごはんが机の上に並べられており
自分が座るであろう向かいの席には
ふうふうとコーンスープを冷ましながら飲む
一抹の姿が目に入る



毎週繰り返される一松のセクハラ行為
にも驚くほど慣れ
乳を揉まれようが何をされようが
全く動じなくなってきた自分の神経の
図太さに苦笑いを浮かべる


「何笑ってるの?」



『何にもないよ。』



そう答えると、いただきますと
椅子に座り手をあわせる


焼きたてのロールパンに、コーンスープ
真ん中のお皿には、
だんだん上達してきた
ふわとろのオムレツに、ケチャップで
猫が書いてある。



チラリと目の前の一松に目を向けると
やる気のない目をこちらに向け
コーンスープを口へ運んでいる。


どんな顔でケチャップで猫を書いているのか
には検討もつかない


「何?」


半目の目を更に怪訝そうに細めこちらを見てくる



『なんにも、今日も美味しそうだにゃ〜』



からかう様にそう言うと
プイと目をそらされる


そんな一松にクスリと笑みをこぼすと
は、オムレツへとスプーンを伸ばした
真ん中へとスプーンを差し込めば
ふるりと中から半熟の玉子が溢れ出し
ほんのりとチーズの香りがする


『本当に日に日に美味しくなっていくね
一松のオムレツは』


ひとくち口に運びとろけた表情をするを一松は柔らかい顔で見つめていた
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