第13章 おそ松さん《4:松野チョロ松》
『日本人はやっぱり米だね
ご馳走様でした。』
手を合わせてそう言えば
お粗末様でした。とチョロ松が返してくれる
スーツに着替えるために
自室へと戻り、シャツへと手をかければ
ふわりとカラ松の香水の香りがする
家のどこにいても、もうすっかり6つ子の痕跡がある
この家にどこか愛しさを覚え
シャツに手を通しながら、自然と口角が上がる。
おそ松が 換気扇の下でタバコ吸った痕跡を見つけた時は
縛り上げたが‥‥‥
「ちゃん?そろそろ家出ないと遅刻するよ」
チョロ松の声に慌ててスーツを羽織ると
扉も開けっぱなしで廊下へと駆け出る
バタバタと慌ててピンヒールをはき
玄関扉へとてをあければ
「これ」
『?これ、お弁当?』
「うん、作ってみたんだ」
『ありがとう!凄く嬉しい』
照れながら包みを出すチョロ松から
お弁当を受け取り
『バタバタしちゃってごめんね、いってきます』
そう言ってチョロ松の頬に小さなリップを当ててキスをする
『それじゃあ』
そう言って早足に扉を閉めると
「はあぁぁあ〜ん」
気の抜けるような声が聞こえた
安易に想像がつく童貞松の姿に
クスリと笑いながら早足で駅へと向かう。