第8章 JOJO《岸辺露伴》
デスクから顔を上げ時計を見上げると
丁度定時の時間を指している
露伴先生との約束を思い出し、
会社を出ると
見覚えのある車が道路に止まっており
もたれる様に露伴先生が立っている
センスの悪いバンダナと
スタイルのいい長身で嫌でも目に止まる
仕事仕事と、自分に言い聞かせ
早足でクルマに近づく
『お待たせしました。』
そう、頭を下げるとスムーズに車へと
エスコートされる
ーーーーーーーーーーーーーー
『ご馳走さまでした。』
彼の助手席に座り、電灯のついた道を走る
チラリと先生の整った横顔を見つめていと
車が止まり
いつの間にか、家の前に着いている。
『あれ、ここ露伴先生のお家じゃ』
「僕はまだ飲んじゃあ居ないからね。
軽く一杯付き合ってくれないか?」
いいだろ?と色っぽく微笑む先生に何故かNOとは言えず
こくりと頷く。
今日で2度目の先生の家の中ソファに腰掛け
高そうなワインと、洒落たグラスを2つ机に並べる。
慣れた手つきでボトルをあけ隣に腰掛ける
先生の香水の匂いがふわりと鼻を掠める
ワインのせいか香水のせいか
急に顔に熱が篭るのを感じる
「?」
先生の熱をこもった眼を見れば
私を求めていることが一目でわかる。
『ダメですよ』
そう言いながら、背けたくても先生の目から
視線を外す事ができず
唇が触れるか触れないかの距離で
甘く掠れたの情欲をかきたたせるような声が聞こえる。
「君は僕を拒めないはずだ」
彼の言葉通りにそっと眼を閉じ彼を受け入れた
そんな素直な彼女の姿に、クスリと笑い
「君は僕の最高傑作だよ」
そういって彼女の白い肌に手を添え
《天国の扉》を発動する
初めてにあった時
自分の理想を寄せ集めたような整った顔を
見て必ず手に入れようと思った
いくら誘っても、答えてくれる事はなく
ある日興味本位で彼女の人生を覗いてみた
そこに書いてあるのは、
僕への嫌悪感と、くだらない糞みたいな人生だけだった。
そのつまらない人生を破り捨て、新しい自分色に染める
ふっくらとした甘い唇に口付け
「」名前を呼ぶと
彼女は嬉しそうに目を細め
『露伴』甘く囁き自ら腕を絡めた。