第5章 血界戦線《スティーブン・A・スカーフェイス》
家に帰るといつもの様に
シアタールームでコーヒーを飲むが
『おかえりなさい』
早かったのね、と柔らかな笑顔で迎えてくれる
ただいま
彼女の白い頬に唇を落とすとシャンプーの香りと
彼女自身の甘い香りが情欲をかきたてる
「‥‥」
スティーブンは掠れた甘い声で呟くと
そっとのパジャマに手をかけた
『もしかしてーー
そんな他の女の匂いをさせたまま私を抱くんじゃ無いでしょうね』
驚いての顔を見ると
心なしか赤く色づいている
いつも余裕があり、スティーブンの仕事にも
文句1つ顔色1つ変えたことが無い
がヤキモチを妬いている。
自分でもソレが恥ずかしいのか頬を染めている。
「がヤキモチ何て初めてじゃないか」
てっきり、君にそんな感情は無いとばかり思っていたよ。
何て事を言うスティーブンに、
とうとうは顔を手で覆い耳まで赤くしてしまった。
『私だって目の前で他の女といる所をみたら
ヤキモチくらいやきます』
「‥‥‥‥‥‥」
そう言って返事を返さないスティーブンを不思議に思い
はチラリと指の間から
様子を覗くと
瞬きを忘れて同じ様に頬を染めるスティーブンが目に入る
何だか可笑しくなって
クスクスと笑いだすを急に抱きかかえ
『わっ』
「暴れると落ちるぞ」
少し強引に抱えると部屋を出る
『ちょ、スティーブンさん?』
必死に落ちまいとスティーブンの首に手を回し
どこに行くのかと尋ねれば
「風呂だ」
彼らしく無い、切羽詰まった言い方をされる
「君が煽ったんだろ?」
そう呟く少し強引な彼に
ぞくぞくと身体が疼くのを感じた。