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sing sing sing!!!《短編集》

第1章 おそ松さん《松野 おそ松》





ジリジリと真夏の太陽が照りつけ
アスファルトから焼けるような熱が上がる




じんわりと滲む額の汗に不快感を覚え




隣を歩く友達に



『私次パス』




行ってきます、と言えば



「まだ1限目〜」

呆れたような声が帰ってくるが

ごめんごめん。へらりと笑うと背中を向けながら

ヒラヒラと手を振る





特別室が並ぶ極めて人通りが少ない校舎の裏側

何本かの高い木に囲まれているこの場所は

風通りがよく影になっており

私のお気に入りの場所だ




いつものように、校舎に背を預け
足を投げ出し空を仰ぐように座る




気持ちの良い風にそっと目を閉じると、
先程まで火照っていた身体の熱が
ゆっくりと収まっていくのがわかる








ふうと小さく息を吐き、目を開けると

校舎の窓から自分を見下ろすような瞳とぶつかる


驚いて数回瞬きをすると


『アンタ、どれ?』




「ねえ、そっちにいって良い?」



私の問いかけを無視するようにそう聞くと、
よいしょっとと言いながら窓から
ひょいとこちらに降りてくる。




「今日本当にあっついね〜」




彼は言葉とは裏腹にニッコリと涼しげに笑うと
私の隣に腰を下ろした




『で、どれ?』





「どれって言い方は酷いんじゃない?」



この学校にいたら嫌でも知っている
クラスに1人ずついる6つ子の誰かだ。




「どれでしょーか?」


なにその6つ子クイズ、
は少し面倒くさそうな顔をして答える

『1か6』




彼は少しびっくりしたような顔をして

「え?なんで?」

大体当たったのか興味深そうにに詰め寄る。



『カラ松は同じクラスだし
3は1限目から授業さぼったりしないでしょ
4はそんなに愛想振りまいて話さないし』


5は、論外
自分から名前叫んでくるから、アイツ。と思い出したのか
クスクス笑う



「はぇ、よく見てんね」



『そう?1と、6はよくわかんないけど』


そう興味なさそうにゆうと
はまた空を仰ぐ



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