第1章 1
シャコシャコシャコ…
歯磨き。食べたら磨く。当たり前っちゃ当たり前だけど、結構メンドイ時もある。でもこういうお仕事してると、そこはサボるワケにもいかない。
今日も五人の仕事。楽屋ではみんな好き勝手やってる。台本見てたり、ケータイいじってたり、居眠りしてたり。でも、メシの時はひとつのテーブルで丸くなって、みんなで食う。で、歯磨きする。もう習慣。
櫻「うぅむ…。苦しい。食い過ぎたか…」
二「でしょうな。どう見ても」
相「蕎麦かうどんか、どっちかだよね、普通は」
二「迷ったら両方いっちゃうのが翔ちゃんだから」
松「んじゃ、今日のピンボールは翔くんだな」
相「アレけっこ~いい運動だよねぇ…。あ。優雅に歩くパターンはナシだからね!」
二「そりゃあ。ちゃんと走りますよねぇ?ピンボール“ランナー”なんだから」
櫻「…あんたら…鬼!?」
大「…」
シャコシャコシャコ…
ぼんやり磨いてる最中、ふと手が止まる。実はちょっと前から気になってる歯がある。時々、チョット痛い。時々なんだけど。いっつもじゃないんだけど。