第8章 命懸けの復活
「あれ、瀬里奈先輩じゃないですか!」
「おおっ!工藤先輩だ!」
「来てるなら連絡下さいよー水くさい!」
私が席に着こうとするや否や、帝丹高校の3年生に囲まれた。
実は私は高校の頃、特定の部活に入ることをしなかった。その代わり、色んな部活に助っ人として入っていたのだ。女子テニス部や女子バレー部、女子バスケ部、ソフト部、空手部、剣道部、吹奏楽部、演劇部……。私が大会に出れば好成績を残すし、コーチとして教えるのも上手い(らしい)。おかげさまで帝丹高校で知らない人はいない程の有名人になっていた。
「瀬里奈先輩も2-Bの劇観に来たんスか?」
「うん、まぁ。みんなもう最上級生なんだよね〜」
「そうですよ!工藤先輩は大学ですよね?どこですかー?」
「帝丹大学だよ。みんな進学するの?」
「オレは進学するっス!」「私は就職しようかなって思ってます」
賑やかに談笑するが、私は腕時計をちらりと見、コナン君達が座っている席を見た。
「ごめんね、私知り合いが席とってくれてるから……」
「あっ、じゃあまた後で!」
「うん、じゃあね」
私は3年ズに手を振って別れた。席に着くなりふぅー、とため息をつく。
「瀬里奈姉ちゃん人気者だね……」
コナン君が冷めたように言った。私はまた軽くため息をつく。
「もう……コナン君冷めすぎだよ」
「ボクそこまで興味ないし……」
私ははぁー、と大きくため息をついた。