第8章 命懸けの復活
そして、──帝丹高校学園祭当日。
「蘭ちゃん、園子ちゃん!」
「あ、瀬里奈お姉さん!」「瀬里奈お姉様!」
私は蘭ちゃんと園子ちゃんに誘われて、帝丹高校の学園祭に来ていた。
「誘ってくれてありがと!蘭ちゃんお姫様役やるんだっけ?」
「はい!」
「楽しみにしてるからね!」
そう言ってウインクすると、蘭ちゃんは少し照れ笑いした。
「らーんちゃん!」
「あ、和葉ちゃん!」
私の見覚えのない少女が来た。話を聞いていると、平次君の知り合いのよう。
「蘭ちゃん……この子は?」
「あ、そっか!お姉さんは初めてでしたよね!この子は遠山和葉ちゃん!服部君の幼馴染なんです。和葉ちゃん、この人は工藤瀬里奈さん!新一のお姉さんなのよ」
工藤、と聞いた瞬間に和葉ちゃんの顔が少し翳った。
「工藤って……平次と電話してた人なん?」
「は?」
「あ、違うよ!その工藤は新一の方!お姉さんは最近知り合ったばかりなんだから」
蘭ちゃんが必死に弁解する。私は困ったように笑うだけだった。
和葉ちゃんが納得してから、きょろきょろと周りを見渡した。
「ほんで?工藤君はどこにおんの?呼んでんねやろ?」
「別に呼んでないよ……」
和葉ちゃんに訊かれた蘭ちゃんは困ったように笑った。まぁ呼べないよねぇ……。
やがてコナン君と小五郎さんが到着し、「じゃあボク席で観てるから……」とコナン君が席に向かい、小五郎さんも「あがるんじゃねーぞ!」と蘭ちゃんを激励した。
「じゃあ私も行くね。蘭ちゃん頑張って!」
「は、はい!」
私もコナン君達を追って席に着く──はずだったのに。