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白い雪【名探偵コナン】

第27章 ギスギスしたお茶会


別府さんは黄色のカモミールティー、八方さんは茶色いペパーミントティー、そして高坂さんは青いバタフライピーティー、そして亡くなった須東さんは赤色のハイビスカスティーだ。
被害者は紅茶にレモンを浮かべていたが、見える範囲が狭まったからといって色が違うことに気づかない確率は低い。

「とにかく犯人がカップに毒を塗り……須東さんを殺害したのは明白な事実!その毒を入れていた容器や袋が、現場であるこの病室のどこからも発見されなかったということは……入れ替わりでこの病室から外に出たという……別府さんと八方さん……犯人はあなた方2人のどちらかということになりますな……」

その言葉に名指しされた2人は反論した。
別府さんはトイレに立っただけだし、八方さんはお茶請けのお菓子を買いにコンビニに行っただけ。
完全にあらぬ方向へ向かいそうな警部達を戻すため、私は口を開いた。

「……でも、随分と度胸のある犯人ですよね?」
「「え?」」

周りの視線が私に向く。
少し緊張しつつも私はフッと笑った。

「だって、私だったらカップに毒を塗った後は絶対部屋から出ませんし……」
「な、何で?」

小五郎さんに訊かれ、私はしれっと答えた。

「だって……私がいない間に勝手にカップを拭かれちゃったり、カップの位置やお茶の種類を変えられたりしたら、どれが毒のカップか分からなくなって大変じゃないですか」

私がそう言うと、警部達は「確かに……」と腑に落ちたように頷いた。

「じゃあ犯人はいつどうやって毒を?そしてその毒の容器はどこに行ってしまったんでしょうか?」

高木刑事がそう言った。
目暮警部が「この病室をもう一度調べ直そう」と言っているのをよそに、私は「そんなことする必要ないんじゃないですか?」と口を挟んだ。

「え?」

拍子抜けしている大人達(いや私も大人だけど)に向かってニッコリ笑い、「ね、コナン君?」と半ば無理やりにコナン君に振った。
コナン君は私のことを恨めしそうな目で見ていたが、すぐに子供らしい無邪気な笑みに戻る。

「うん!だって1人いるじゃない……。堂々とカップに毒が塗れて……そのカップから一度も目を離さなかった人……。だよね?

──ゼロの兄ちゃん!」

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