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白い雪【名探偵コナン】

第26章 ジョディの追憶とお花見の罠


「お賽銭!」
「五円玉を入れたぞ!」
「賽銭箱の中に!」

それを聞いたコナン君はニヤリと笑った。何気に誘導がうまいな、さすが私の弟←

「そう……。お賽銭は『ご縁がありますように』ってことで……そのほとんどが穴の空いた五円玉なんだよ!」

それを聞いた哀ちゃんが「なるほどね……」と言う。

「その穴に針金や紐を通してたくさん束ねれば……細長い棒になる……。しかも、後で賽銭箱の中からその五円玉が大量に見つかったとしても他の賽銭に紛れて怪しまれず……細長い金属製の棒を探してる警察の目を欺けるってわけね!」
「そゆこと……」

私はくすっと笑ってそう言った。
だがこのトリックには問題がある。

「でも、五円玉を束ねて30㎝くらいにするには、五円玉が200枚くらいは必要でしょ?それに、そんなに大量に入れれば目立ってしまう……。だから犯人は子供たちに声をかけたんです……。『大きな音で鈴を鳴らさないと神様に届かないよ』とね……。そうでしょ?その大きな鈴の音で大量の五円玉が賽銭箱にジャラジャラと入る音をかき消した……段野頼子さん?」

五円玉を束ねた紐の片方の端をほどき、反対側の紐をつまんで賽銭箱に垂らせば大量の五円玉を一瞬で入れられる。
その上、殺人が起きたのは段野さんが鈴を鳴らす前。あの時すでに被害者によって財布をスられていたはずなのに、それに気づかず賽銭を入れて鈴を鳴らしたと偽っているのがその証拠。普通は賽銭を入れる時に気づくはずだ。

そう私が追い詰めると、段野さんはフッと笑った。

「知らないの?賽銭箱の前で財布を開けちゃいけないって戒め……。財布の中を神様に見られると『そんなに持ってるのにそれっぽっちしか入れないのか』と怒りを買うのよ?だから私、お参りする時は五円玉を裸でポケットに入れてるの……。それで財布がなくなってるのに気づかなかったってわけ!まぁ、私が大量の五円玉を賽銭箱に入れる所をあなたが見てたっていうなら認めてあげてもいいけど?」

段野さんにそう詰め寄られ、私はフッと笑い、女優帽を深く被り直した。

「見なくても分かりますよ……。あなたの靴紐を調べればね!」

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