第26章 ジョディの追憶とお花見の罠
そう話していると、阿笠博士がお巡りさんを連れて来てくれた。
「お巡りさんこっちじゃこっち!」
お巡りさんが私達を見て「ん?何だ君達は!」と声をあげる。
「遺体から離れなさい!」
そう言うお巡りさんに、ジョディさんは自分がFBIだと明かした。
「直ちに籠神社の出入り口を封鎖!刑事を呼んで来なさい!」
「は、はい!」
お巡りさんが慌てて走って行く。わぁFBI権力さすが←
「じゃあまさか犯人はその黒兵衛?」
ジョディさんが私とコナン君、どちらともなく問いかけた。
私が「いや……」と答える。
「見て下さい……。この人が懐に入れてた小銭入れに黒い五円玉がいっぱい入ってる……。ってことは多分、この人が黒兵衛本人です!」
コナン君がお札入れを探る。
「それに札入れに入った輪ゴムで留められたこの札の束……。中身はGPS発信器……」
携帯を使えば5mの誤差で位置が分かる優れものだ。
「……てことは……」
「恐らく黒兵衛にスられた被害者が……殺人犯だよ!」
現場の保存をした時、タイミング良く警察が到着した。
「困りますよジョディさん……。いくらFBIの捜査官だと言ってもここは日本!しかもあなたは休暇を使って来日してるだけでしょ?勝手に捜査の指示をされちゃ、我々日本警察の面目が……」
駆け付けた高木刑事が困ったようにそう言った。
「まぁまぁ……。おかげで犯人を封じ込められたんだし、結果オーライってことでいいじゃないですか?」
「瀬里奈さん……」
高木刑事に困ったような視線を向けられ、私はあはは、と眉を八の字にして笑った。
「それで?この黒兵衛が撲殺される所を見たというのは本当ですか?阿笠さん!」
女性の死体をじっと観察していた目暮警部が阿笠博士にそう言った。
博士はトイレを済ませてここを通りかかった時に見てしまったという。ここは木陰で暗いため、最初は杭を打ち付けていると勘違いしたそうだ。ほとんどシルエットで顔は見えず、帽子をかぶっていたことと30㎝くらいの細い棒を持っていたことくらいしか分からないらしい。