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白い雪【名探偵コナン】

第23章 服部平次と吸血鬼館


「せやなァ……半年前にメイドの清水さんを殺した犯人と同じやったら……。逆さにして血ィ抜く気やったんやろうけど……」

私は2人に傘を差しながら話を聞いていた。

「遺体の右の二の腕に妙な打撲痕があるのも気になるし……」

コナン君が遺体の服をめくり、腕を見た。
「それに……」私は守与さんの指先を指した。

「一番引っかかるのは、両手の指先がなぜかズタズタに傷ついていることね……犯人に抵抗した時の防御創には見えないし、何なのかしら……」

とにかく、警察が来るまで遺体にブルーシートをかぶせ、誰も近づけないように、と門番さんに言い、私達3人は館に戻った。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「か、守与姉さんが!?森の中で殺されてた!?」

実那さんがそう言う。羽川さんは信じられない、と言わんばかりに涙を流した。

館の周りに抜けられるような所はないし、塀の上には防犯センサーが付いているから、誰かが乗り越えたらすぐに分かってしまう。
それに、旦那様がトンネルを掘っていたとしても、館の改装に使った時間は1週間。そんな短い時間でトンネルなんて掘れない。

「と、飛んだのよ……。吸血鬼になった迫弥お義兄様があの禍々しい黒い翼で……守与お義姉様を抱えて飛んでったのよ!」

瑠莉さんが涙を流しながら取り乱す。
「あの人を襲った後で……きっとそうに違いないわ!」

「落ち着けよ瑠莉、この若い刑事が言ってただろ?吸血鬼なんていねぇって……」
「刑事?」

私はきょとんとして言ってしまった。
「違うのか?」と岸治さんが私の方に視線を送る。

「ちゃうちゃう、オレは服部平次!大阪の高校生探偵や!」

平次君がそう言う。
4人は平次君のことを刑事だと思っていたらしく、高校生の子供だと分かった途端に手のひらを返した。

「冗談じゃないわ!刑事だと思って言うこと聞いてたけど……」
「結局ハニーも殺されちまったじゃねーか!」
「自分の身は自分で守らせてもらうぜ……」

実那さん、羽川さん、岸治さんが口々にそう言った。

「何だ……刑事さんじゃなかったんですね……」

ひかるさんまでもそう言う。

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