第21章 密室にいるコナン、謎解きするバーボン
1人目。桃園琴音さん。
「ええ……石栗君の部屋には行きました……。昼食の冷やし中華を本当に食べないか聞きに……」
「彼はその時、部屋にいたんですか?」
横溝警部が聞いた。
琴音さんによれば、彼は「昨夜の残りのアイスケーキがあるからいい」と言ってお昼を食べなかったらしい。
だからそのままキッチンに戻って来たそうだが……
「しかし急に人数が6人も増えたのに、よく昼食の材料が足りましたね……」
安室さんが感心したように言った。
「石栗君は大食漢なので……元々、多めに買ってあったんです……」
その後はキッチンでご飯を食べ、蘭ちゃんや園子ちゃんと一緒にシャワーを浴びてから、部屋にこもった石栗さんの様子を真知さんと一緒に見に行くまでは2人といたらしい。
ちなみに石栗さんの部屋の合鍵がなくなったのは恐らく昨夜。自分の部屋の引き出しに入れておいたはずが、なくなっていたということだ。
2人目、梅島真知さん。
「そうよ、行ったわよ!石栗君の様子を見に……琴音と2人で……。返事がないからてっきり寝てると思ったけど……まさか部屋の中で死んでいたなんて……」
「行ったのはそれ一度きりですか?」
「シャワーを浴びる前にも行ったわよ!これから私が使うからって言いに……。前に覗かれたことがあるから……」
蘭ちゃん達が琴音さんとバスルームから出て来たのを見て、入りたいなと思ったらしい。
「あ、それは私が証明できます……。真知さんと一緒にバスルームに行ったので……」
私が手を挙げる。
「そうね、その子と一緒にシャワー浴びたし……」
シャワーを浴びることを伝えに行った時、返事はなかったが部屋にはいたらしい。理由はクーラーが効いていたからだそう。
シャワーの前後は昼食の支度や片付け、蘭ちゃん達や私のラケットの手入れをしたりと、とにかく誰かと一緒だったようだ。