第21章 密室にいるコナン、謎解きするバーボン
「何ィ!?密室殺人だと!?」
小五郎さんが怪訝な声を出した。
現場に駆けつけてくれた横溝警部の報告を聞いている時のことだ。
「遺体が扉を塞ぐように倒れてたのに何で殺人なんだよ!?」
「え?あ、でも……部屋の中にいたコナン君が……」
コナン君曰く、「大きな音がしたすぐ後に遺体や花瓶に触ったが、どちらの血も乾いていた」らしい。
でも、密室を作るような知能犯がそんなすぐバレるようなトリックを仕掛けるのは考えにくい……。
となると、考えられるのは……
「犯人にとって……2つの大きな計算違いが生じたからではないでしょうか……」
私が考えていたことを安室さんがさらりと言った。
「1つ目はコナン君が部屋の中で毛布にくるまって寝ていたこと……もう1つは、鍵の掛けられたその部屋の扉を僕が開けてしまったこと……」
安室さんの言葉に、私はこくこくと頷いた。
「そうですね……。その2つさえなければ、なかなか部屋から出て来ない石栗さんを隣の部屋のベランダを伝って窓越しに発見し、呼んだ警察が窓を破って部屋の中に入る頃には、この暑さだし血が乾くのも無理はないって考えさせることも出来るし……。
たとえ発見した直後に誰かが窓を破って入ったとしても、注目されるのは血の乾き具合よりも石栗さんの生死のみ……。後で来る警察には、頭から血を流して扉の前に倒れていたと伝えるだけでしょうしね……」
とりあえず、元々この別荘に来ていた3人に話を聞くことになった。殺人の動機がありそうなのはこの3人くらいだろうということだ。