第21章 密室にいるコナン、謎解きするバーボン
「子供が怪我したっていうのに何言ってんだお前!」
私よりも先にキレたのは高梨昇さん。
「冗談だよ!俺はこの重い空気を和ませようと……」
「その冗談が元で瓜生は死んだかもしれないんだぞ!?」
「怒るなよ……。その瓜生の誕生日を祝うためにこうやって久々にサークルのみんなで集まったんだろ?」
それで何とか場は収まり、私達6人は別荘で冷やし中華をご馳走になることになった。
「じゃあ私、蘭ちゃん達と食事の手伝いに行って来るから……ここで寝てる?」
「うん、そうするよ……」
コナン君は「リビングで横になってる」と言い、私と蘭ちゃん、園子ちゃんはキッチンで冷やし中華の手伝いをし始めた。
それから数十分後。
「出来たっ」
冷やし中華が完成。みんなでそれを食べ、私はコナン君にもご飯を食べさせようとしたが──
「あれ?コナン君は?」
「ああ……あのガキンチョなら石栗さんの部屋に行くって言って2人で出て行きましたよ?このリビング、クーラーの調子が悪いからって……」
「そうなの?そーいえば確かに……」
クーラーがあまり効いていない。
私はコナン君にお昼を届けに行くために一緒に石栗さんの部屋に向かった。
「コナン君?起きてるー?」
ノックを数回するも、返答はない。まぁお昼抜いても死にはしないし、コナン君はぐっすり寝てるみたいだから放っておこうか。
ここのクーラーも効いているようだし……。
だがそれから数時間経ち、3時過ぎても石栗さんもコナン君も部屋から出て来なかった。どうやら部屋に鍵をかけて寝ているらしい。
と、ドン!という音がした。
「ねぇ琴音!あなた合鍵持ってるでしょ?」
真知さんが琴音さんにそう言う。だが石栗さんの部屋の鍵だけが昨夜から見当たらず、どうしたものかと考えていると──
「何なら僕が鍵を開けましょうか?そういうの割と得意なので……」
そう言って安室さんが部屋の鍵をピッキングの要領で開ける。
お陰様で鍵は開いたが、何かが扉の前にあって塞がれている。と、部屋の中にいたコナン君が「開けるなァ!」と大声で叫んだ。
「開けちゃダメだよ……」
「こ……コナン君?」
「ドアを塞いでるの死体だから……」