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白い雪【名探偵コナン】

第21章 密室にいるコナン、謎解きするバーボン


むぅっと唇を尖らせると、博士が脱線しかけた話を戻してくれた。

「そーいえば彼はあれ以来体調不良で店を休んでいるらしいが……」
「何でポアロのバイトだったかは謎だけど……もう戻って来ねぇんじゃねーか?ラッキーなことに灰原があの爆発で死んだと思ってくれてるみてーだし……」

コナン君は、安室さんが戻って来たらこちらから探りを入れる予定だったらしいが。

「とにかく!今度私に黙ってこんなことしたら許さないわよ!騙されたって感じでぜーんぜん嬉しくも何ともないんだから!」

哀ちゃんがコナン君にそう言う。と、コナン君は意地の悪い笑みを浮かべた。

「それ……オメー流の言葉で『ありがとう』って意味か?」
「バッカじゃないの!」

哀ちゃんはぷいっと後ろを向いてしまった。
それを見てくすくすと笑う。哀ちゃんて実はツンデレ?←

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

博士の家をお暇させていただき、私は慌てて仕事へ出た。今日はボイストレーニングの後は夜までフリー。その代わり夜からライブに入ったりパーティでの演奏をしたり、と仕事がぎゅうぎゅう詰めだ。

ボイストレーニングを終えた後、私はある人の家の前で降ろしてもらった。

「……何だ、何てことないじゃないですか。体調不良っていうから心配して来たのに」

ある人とは──安室さん。
ここは安室透名義で借りている家らしいが、私はそんなこともお構いなしに本名で呼ぶ。

「降谷さん、体調不良って言ってサボりですか?マスターも梓さんと心配してましたけど」
「仕方ないだろ……。あのボウヤが目を光らせている内はまだ復帰できないからな」
「ボウヤって……コナン君?」

私が訊くと、降谷さんは頷いた。

「ああ……。あの子は一体何者なんだ?」

そう問われ、私は睫毛を伏せた。
何者──本当なら普通の高校2年生なのに。でも、今は違う──

「……ただの小学1年生でしょ?あまり深読みしすぎても良くないですよ」

私の返答に、降谷さんはどこか納得の行かない顔をしていた。

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