第21章 密室にいるコナン、謎解きするバーボン
ミステリートレインの事件から少し経った。
「それならそうと先に説明しといてくれない?
驚いたわよ!空いてた7号車のB室に死ぬ思いで逃げ込んだら……あなたのお母さんが待ち構えてて……『後は任せて』って言われたって、何が何だか分かんないじゃない!」
哀ちゃんはただいま激おこぷんぷん丸です←
博士の家に呼び出されたコナン君と私、そして博士はただいま哀ちゃんにお叱りを受けています。
「その上、後でその部屋に入って来た瀬里奈さんが携帯電話を私に押し付けて……
『哀ちゃんに変装した怪盗キッドが今、彼らと会ってるから何て答えればいいか教えてやって?』
──って、何かの冗談かと思ったわよ!」
哀ちゃんの鋭い視線に、私は困り果てて苦笑いを返した。
そこへ博士が助け舟を出してくれる。
「まぁ、奴らがあの列車に乗り込んで来るかどうかはまだ半信半疑じゃったからのォ……」
「オレも母さんからベルモットが列車に乗り込んでるってメールもらうまで油断してたし……オレらの部屋は盗聴されてたみたいだから、下手なこと言えなかったんだ!」
コナン君も困ったように笑って、そう言った。
「オメーの携帯をハッキングしてた昴さんが、ベルモットからのメールを見てさすがにヤバイと思って迎えに行ったらしいけど……。予想通り7号車のB室にオメーが逃げ込んでくれて助かったよ……」
“ハッキング ”という単語に、哀ちゃんの表情が一段と険しくなる。
「その昴って人、何者なのよ!?何で瀬里奈さんとあなたのお母さんと一緒にあなたの家で暮らしてるわけ?」
その言葉に私は苦笑いした。
「大丈夫!彼は味方だから……。それに、ウチのお母さんが来るのはたまの週末……何も問題ないって」
そう言うと、コナン君はニヤッと不敵に笑った。
「まぁ今回の1番の収穫は、喫茶店ポアロでバイトしてた安室さんが……黒ずくめの奴らの仲間のバーボンだって分かったことだな!──瀬里奈は知ってたんだろ?どーせ」
冷たい視線を送られ、私はうっと言葉に詰まった。
「し、知ってたけど……まさかバーボンのことをあんた達が知ってるなんて思ってないし……新一だって聞いてこなかったじゃん!」