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白い雪【名探偵コナン】

第18章 3人の容疑者──bourbon


伴場さんと入れ違いにトイレから出て来たのは、サングラスに顎髭の怖そうなおじさん。
彼は安室さんを呼び止め、「バーボン……ロックで」と注文を出した。

だが直後に伴場さんがぶつかってしまう。

「!?」

正直びっくりしたが、私は安室さんの『仕事』には極力関わらないよう努めた。

「おいウエイターさん……俺の注文覚えてるか?」
「あ、はい……。バーボンをロックですよね?」
「OK!間違ってねーよ!」

おじさんは手でOKサインを出す。
それを物凄く怖い顔で睨んでいる伴場さん。おじさんと安室さん、伴場さんの間に何かあるのか……?

と、いきなりパリン!と何かが割れる軽い音がした。

「ちょっと……!何してるんですか安室さん!?」

私は慌てて声をかけた。

「い、いきなりこのお客様が殴りかかって来られて……。大丈夫ですか?」
「触んなクソ野郎!」

そう罵る伴場さんの手からは血が。

「お客様、お怪我をなさってますよ?手当てを……」
「このくらい平気平気……」
「でも……」
「俺が今話があんのは……初音だけだよ……」

伴場さんは機嫌を悪くしたように眉間にしわを寄せ、携帯を操作し始めた。

「おう初音か?今どこだ?」

伴場さんは初音さんに電話したらしく、少し乱暴な口調で話し始めた。

「ん?サヨナラ?何言ってんだ初音?おい初音!?」

と、外にある車がボン!と音を立てて爆発した。

「ま、まさかあの車……初音の……」
「え!?」

蘭ちゃんは消防と救急、警察に連絡、私は客とスタッフを店から出さないように裏口を施錠した。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「殺人!?」

現場に駆けつけた目暮警部と高木刑事がそう報告した。
何でも、コナン君が見つけた付け爪の先に僅かに皮膚が付着していたらしく、旅行用のトランクに入っていた伴場さんのヘアブラシについていた毛髪のDNAを照合した所、付け爪に付いていた皮膚のDNAとほぼ一致したのだという。

「お、俺が初音を殺したっていうのか!?」

あからさまに動揺する伴場さんに、小五郎さんが見かねて声をかける。

「落ち着けよ伴場!お前はやってないんだろ?」
「あ、当たり前だ!」

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