第18章 3人の容疑者──bourbon
朝。
「おはよ、みんな」
私は朝から講義があったため、早めに家を出ていた。
すると、蘭ちゃんと園子ちゃん、世良さんにコナン君が一緒に登校していた。
「お姉さん!おはようございます!」
「おはよう蘭ちゃん。相変わらず早いねー」
そんな話をしていると、ふと世良さんの制服に目が行った。
「あれ、世良さんって女の子なの?」
世良さんが制服のスカートを穿いていたため、私は思わずきょとんとして尋ねてしまった。コナン君を除く3人が苦笑し、世良さんが答えた。
「ボクはこんな口調だしこんなナリだけど、一応女だよ!」
「そうだったの?私、電話越しで声しか聞かなかったから……。勘違いしてごめんね?」
私が笑いかけると、世良さんと蘭ちゃんが目を丸くした。
「電話越しってことは……あんたも阿笠博士とかいう人ん家にいたのか?」
「え?うん。私の家、博士ん家の隣だし……」
私が当たり前のようにそう言うと、世良さんはまた目を丸くさせた。
「じゃああんたは工藤君の家に住み着いてるのか?」
「住み着いてるって……」
私はその言い方に軽く苦笑した。
「私は新一の姉ですから。あの家に私がいるのは当然でしょう?」
私がそう言うと、世良さんは「ふぅーん……」と言って黙ってしまった。
「ちなみに、お姉様も小さい頃アメリカに留学してたらしいのよ!だから世良さんと会ってたりして〜」
園子ちゃんが私の肩を抱きながらそう言った。
世良さんがまた食いついてくる。
「そうなのか?」
「え、ええまぁ……。でも本当少しだけだから……」
この中でそのカラクリを知っている唯一の人物・コナン君は何も言わずに黙っている。
「あ、私こっちだから……じゃあねみんな!」
私はささっと横道に逸れ、大学への近道を通った。