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白い雪【名探偵コナン】

第18章 3人の容疑者──bourbon


《ハッハッハ!さすが高校生探偵工藤新一……見事だよ……。俺の妹の未紅を自殺に見せかけて殺しやがった薄汚えネズミが……。
光井珠実……お前だったことを解き明かしてくれたんだからな!》

爆弾男が興奮している所に、コナン君の冷静な声(声色は新一だけど)が入る。

「待ってください!確かに僕は、未紅さんがネズミというあだ名を付けたのは光井さんだと言いましたが……
光井さんがあなたの妹さんを殺したなんて、一言も言ってませんよ?」

爆弾男の推測はこうだった。
犯人は薬で眠らせた妹さんの手首を切り、風呂場の湯船につけて自殺に見せかけて殺した。
妹さんの死亡を確認した後、彼女の携帯電話で勲さん(爆弾男)に『サヨナラ』のメールを送信した。
そのメールを不審に思った勲さんは、妹さんの部屋のドアをノックしたが返事がなく、止むを得ず隣だったあなたの部屋からベランダ伝いに妹さんの部屋の窓を割って入り……風呂場で彼女の遺体を発見することになった。
つまり犯人は、あなたがそうすることをあらかじめ予想して部屋の中に潜み、あなたが妹さんの遺体に気を取られている隙に、あなたが割った窓から外に逃げた──と。

「では犯人は、その後どこを通って逃げたんですか?」

爆弾男は必死な声で言った。

《隣の俺の部屋に入って、そのままドアから出たに決まってんだろ!?俺は妹の部屋にいたんだから!
最初に妹の部屋をノックした時、大声出しちまったからよ……。そん時はもう野次馬が結構集まってて……その人混みなら紛れやすかっただろうしな!》

コナン君は冷静に、静かに言う。

「でもあなたも聞いたと言ってましたよね?妹さんの部屋から本を手に持った光井さんが慌てて出て来たのを、妹さんの部屋の3つ隣にいた客がドア口から見ていたと……。
つまり光井さんが出て来たのはあなたの部屋からではなく妹さんの部屋……。あなたの推測とは合致しなくなりますけど?」

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