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白い雪【名探偵コナン】

第18章 3人の容疑者──bourbon


──第三者side

探偵事務所の窓の外にチカ、と光る光。
人質の1人になっている世良は、その光を見て呟いた。

「どうやら、工藤君の手を煩わせなくても済みそうだね……」
「え?」

隣にいた蘭はきょとんとする。

「どういう意味?」

蘭がひそひそと世良に訊いた。世良は不敵に笑って答える。

「ボクが君の携帯に、ストラップのマスコットを挟んで通話中にしたのは……コナン君にも事件のことを伝えて調べてもらうため……。事件があった先月の14日は、この町内会の人達が温泉旅行に行った日だろ?しかも、泊まった旅館はあの爆弾男の妹である小説家、沢栗未紅が自殺したっていう降塚屋……」
「そ、そうなの?」
「ああ……。君のパパの机の上に、町内会温泉旅行の案内のFAXが置いてあったから……」

置きっ放しにしてるってことは、君のパパはその旅行に行ってない……FAXには旅館の地図とか集合時間とか色々書いてあったから、行くなら普通持っていくし、帰って来ても机の上には戻さないだろ?

世良にそう説明された蘭は、呆気にとられつつも「そ、そだね……」と相槌を打った。

「だからコナン君に、その温泉旅行に行った人たちの話を聞いて来て欲しくて、通話中にしたんだけど……なぜか電話口に出たのは……
またしても工藤新一君だった……」

世良はそう言って蘭にウインクをした。

「まぁ、コナン君と有名な高校生探偵にどんな繋がりがあるかは分からないけど……ここは彼に交渉してもらって、あの爆弾男を説得してもらうしかない……って思ってたんだけど、その必要もなくなったってことさ……」
「ど、どうして?」

蘭がきょとんとして問う。世良は外に目を向けた。

「窓の外……光が見えるだろ?あれは多分、向かいの建物に……警察が到着した証拠だよ!」

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