第17章 赤と黒のクラッシュ──Kir
その言葉に少年探偵団のみんなが「はあ?」という顔をした。
「何言ってんだお前……」
「だからー、キャメルさんが実はFBIだったように、見た目で決めちゃダメってことだよ!」
それを聞いたジョディさんは何かに気づいたらしく、ハッとした表情になった。
「Oh,thank you!(ありがとう!)
お陰であのメモの謎が分かったわ!」
と、状況がよく分かっていない目暮警部が待ったをかける。
コナン君はニヤリと悪戯っ子のように笑い、「じゃあ教えてあげるよ……」と言った。
「一発で犯人が分かっちゃう……とっておきの呪文をね……」
そしてコナンさんは警部に耳打ちをする。
「まずは椅子を人数分揃えて……。
────って言うだけ!簡単でしょ?」
その“呪文”を聞いた目暮警部は目を点にしていた。
「ほ、本当にそれで犯人が?」
「うん!新一兄ちゃんに聞いた呪文だから絶対だよ!試してみて!」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
──第三者side
『今夜19時
来葉峠の
7つ目のカーブを
抜けた先。──水無怜奈』
「この時間、あの峠なら車の通りも少なく、密会するには絶好の場所というわけか……」
赤井は水無から送られてきたメールを見て、そう言った。
ジェイムズが「し、しかし本当に大丈夫かね?」と心配そうに言う。
「ええ……私を信じてください……。もちろん彼女も……」
そう言うと、赤井はシボレーを来葉峠へと飛ばした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
──瀬里奈side
「目暮警部!準備、整いました!」
「ウム!──では、容疑のかかった4人の方達はそれぞれ椅子の前に……」
そして容疑者4人を並べた椅子の前に立たせ、目暮警部は“あの呪文”を言った。
「4人揃ったところでまずは……」