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白い雪【名探偵コナン】

第17章 赤と黒のクラッシュ──Kir


──瀬里奈side

「……瀬里奈!?」

私はかけていたサングラスを少しずらして声のした方を見た。そこには見覚えのある子供が2人と大人が1人。

「新一?哀ちゃんに博士も……」
「何やってんだよ、こんな所で……。しかもサングラスなんてかけやがって……」
「あっ、ちょっと外さないで!」

コナン君にサングラスを外されそうになり、慌ててそれを止める。コナン君は怪訝な顔をしていたが、それを代弁するかのように哀ちゃんが尋ねた。

「外せない事情でもあるの?」
「え、ええまぁ……ちょっとね」

言いつつ私はちらりと周りを見回す。ここら辺にはいないか……。それを確認した後、私はほうっと息をついた。

「誰かに追われてるのか?」

博士に訊かれ、私はこくんと頷く。

「ええ……ちょっと面倒なスカウトマンに……。しつこかったから逃げて来たんですけど、意外と粘り強くって……」

私は周りをちらちらと見回した。と、コナンから「あまり周りを見てると瀬里奈だってバレるかもしれねーぞ……」とひそひそ声で注意してくれた。

「そ、そうね……ありがと」

そんな話をしていると、外にパトカーが停まった。中から出て来たのは高木刑事。

「高木刑事!」
「こ、コナン君!?」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「えぇっ、殺人事件!?」

高木刑事から事情を聞いた子供達は驚きの声を上げた。

──殺されたのは、このホテルの39階に事務所を構えている外国人タレントプロダクションの社長。
発見したのはそこの秘書で、事務所に戻ったら社長が上半身の数カ所を血塗れで椅子に座っていたそうだ。
秘書の話だと、社長は今日タレントの卵と会う約束をしていたらしい。つまり怪しいのはタレントの卵なのだが、社長が街で見かけてスカウトした人で、秘書はまだ会ったことがないから顔も名前も分からないらしい。

高木刑事からそう説明を受けたコナンは食い気味に彼に質問した。

「じゃあ秘書から通報があった時間は?」
「今から2〜3分前だよ!犯行時刻はその1〜2分前……。ちょうど近くで聞き込みをしていたから、すぐに来られたんだ!」

あれ?私は首を傾げた。

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