• テキストサイズ

白い雪【名探偵コナン】

第16章 映画編・迷宮の十字路 〜後編〜


「……あの雑誌か!」

平次君が取材を受けた情報誌だ。あの時平次君は、水晶玉を写真に撮らせていたし、子供の頃の写真も載せていた。コナン君がトッとベンチから降りた。

「同じ頃、盗賊団の中でも事件が起きた。恐らく、首領が重い病気か何かになったんだ……。死期を悟った首領は、山能寺から盗み出した仏像を他の場所に隠し、その謎解きをした絵を子分達に渡し、謎を解いた者を次の首領にすると遺言を遺したんだ……」
「それで死んでしもたんやな……」

平次君が言った。

「後に残った子分達は懸命に謎を解こうとしたが、解けなかった。その頃──」
「仲間の1人である桜さんが……」
「犯人に手を組もうと言って来た……」

平次君と私が立ち上がりながら言葉を継ぐ。
コナン君が頷く。

「犯人の剣の腕を見込んで、他の子分達を殺すように唆したんや……」

平次君が私の持っていた缶をヒョイっと取り上げ、ゴミ箱に捨ててくれた。

「2人で仏像と白毫の行方を2人で掴み、仏像を売った金を山分けしようゆーて来た……」
「ああ……恐らく、美術商の桜さんだけが盗んだ美術品の売却ルートを握ってたんだろう……」
「『だから自分だけは安全だ』って高を括ってたってわけね……」

烏丸通り、四条通りを過ぎる。

「犯人は桜さんの話に乗ったフリをした……」
「本心は仲間全員殺して、宝独り占めするつもりやったんや……」
「だがそのためには、首領の遺した謎を解かねばならない。そこで犯人は……」

3人は仏光寺の敷地に入った。

「名探偵の毛利小五郎に謎を解いてもらおうと思いついたんやな……」

仏光寺を見据え、平次君がそう締めくくった。

「仏光寺……ここだ」
「けど、ホンマにこんなトコに仏像が隠してあるんか?」
「うーん……何かが違う気がする……ねぇ新一?」
「ああ……何かが──」

コナン君が納得が行かないような顔をした。

「……まさか!」

私は慌てて走り出した。それを見たコナン君もハッと気づいたように走って寺の外に出る。

「お、おい!どないしてん!姉ちゃん!工藤!」

/ 493ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp