• テキストサイズ

白い雪【名探偵コナン】

第16章 映画編・迷宮の十字路 〜後編〜


──そして、小五郎さんが今回の事件の容疑者を集めて推理ショーを開いた。

「毛利さん、桜氏を殺した犯人が分かったって……ホンマですか?」

綾小路警部がそう聞いた。小五郎さんは頷き、犯人を名指しした。

「では、お話ししましょう……。その犯人とは──千賀鈴さん、あなただ!」

すぐさま平次君が反論する。

「んなアホな!無茶苦茶やそんな推理……」

だが小五郎さんは自信満々で推理を進める。

「動機は父親を殺された復讐……そしてその父親とは、『源氏蛍』の首領・義経だ!!」

コナンが意表を突かれたような顔をした。だけど、その推理は──

「義経は3ヶ月前、仲間達の裏切りで殺害された。だからお茶屋への送金も途絶えた……。そして、あんたには共犯者がいた。……弁慶だ。その弁慶とは誰あろう、お前だ!おじゃる警部!!」

小五郎さんが言うには、『千賀鈴さんはお茶屋に来る前に短刀と綾小路警部のシマリスを連れて来ていた』──らしい。
綾小路警部のスーツのポケットからシマリスが顔を出す。

「わあっ、可愛い!」

歩美ちゃんが目をキラキラとさせて言った。

「このシマリスがトリックの鍵だったんだ……。
千賀鈴さん、あんたはお座敷でトイレに行くふりをして納戸にいた桜さんを殺害、戸棚かどこかに隠しておいたシマリスに短刀を結び付け、地下のガラス窓から放ったんだ……。そしてシマリスはみそぎ川に飛び込み川下へ向かう。それを川下で待っていた警部が拾い上げ、その短刀で平次を襲ったんだ!」

うーん……と私は聞こえない程度に唸った。

『ね、この推理どう思う……?』
『いや……なんとも言えねーな……“まだ” 』
『だよねぇ……』

コナン君にひそひそ声で尋ねると、コナン君も難しい顔をしていた。

/ 493ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp