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白い雪【名探偵コナン】

第16章 映画編・迷宮の十字路 〜後編〜


──平次side

オレが後ろに和葉を乗せて大阪へ帰る途中、その後ろを一台のバイクが走っていた。
そのバイクに乗っていた人間は、ハンドルの隙間にコインを挟み込んでハンドルを固定し、バイクを走らせたまま立ち上がった。そしてオレ達の方に向けて弓矢を構えた。
その人物の放った矢はバイクのサイドミラーを割り、オレ達を驚かせた。

「!?」

そしてその人間はオレ達を追い抜く。「あいつ……鞍馬山の……!」オレがその人物をバイクで追いかける。必然的に和葉も付いていく形だ。
派手に飛び上がったりカラーコーンに突っ込んだりと、本当に免停スレスレ。

やがてその人物のバイクが停めてある所へ着き、和葉をその場に残してオレは襲撃者を追いかけた。

すると、翁の面を被った人間がオレの前に立ちはだかる。2人は川を挟んで対峙した。
と、その人物が木刀を1つ、投げてよこしてきた。

「フン……オレと勝負しようっちゅー訳か……ええやろ」

そう言いつつ渡された木刀を手に取る。
オレが木刀をとったのを確認したその人物は、両手をだらりと下げてしまった。

(……!? 何や、コイツ……隙だらけやんけ)

構えたオレは疑問に思い、思わず怪訝な顔をした。
だがそれを気にも留めず、オレはその人物に襲いかかった。

振り上げた木刀はその人の腕で止められる。どうやら腕に硬いものを巻いているらしい。
腕にかかっているオレの木刀を振り払い、“突き”の要領でオレの眉間を狙う。オレはギリギリで避けたが、突かれた所から血が出てしまう。
その後は互角に戦っていたが──オレは翁の面に苦戦してしまい、木刀を取り落としてしまった。

「お前が桜さん殺害の犯人か!!」

オレは木刀を弾かれてもなお犯人に問いかける。──いや、挑発だ。

「そやったら同じように……ここ切ってみィ!!!」

オレは襟を引っ張って首筋を出した。桜と同じ殺し方をしてみろ、と。
そう挑発しているのだ。

犯人はそれに乗ったのか、木刀を放り捨てた。そして懐から短刀を取り出した。
お互いに隙を見せぬよう、ピリピリと神経を尖らせる。

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