• テキストサイズ

白い雪【名探偵コナン】

第15章 映画編・迷宮の十字路 〜前編〜


──瀬里奈side

夜。

「あっ、お姉さん!お帰りなさい!」

蘭ちゃん達に出迎えられた私は、その場にいなかった2人のことを尋ねた。

「あら……コナン君は?」
「それが……まだ帰ってこないんですよ」
「……もう」

私は小さくため息をついた。いくら中身は違うとはいえ、こんな時間まで小学1年生が歩き回るなんて……。

その矢先、コナン君と平次君がバイクで帰って来た。

「……あら、帰って来たわね」

私は後ろを振り向くと、平次君が後ろにコナン君を乗せて帰って来た。

「服部君!?」
「何でここに?」

蘭ちゃんと和葉ちゃんが不思議そうに尋ねる。

「いやぁ、街で偶然くど……やのーてこのボウズと会うてな。一緒に絵ーの謎解こ思うて……」
「……そんなことだろうと思った」

私は呆れ半分で言った。園子ちゃんは平次君に挑戦するように訊く。

「それで?絵ーの謎は解けたの?」
「まだや!……結構、難しいなぁ」

ハハハ、と苦笑いする平次君。その横でコナン君が蘭ちゃんに訊いた。

「ところで、おじさんは解けたの?」

蘭ちゃんは機嫌を悪くして答えた。

「それがねぇ……」
「え?」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

──千斗町、茶屋“桜屋”。
三味線の音と芸妓の歌声が聞こえる。その部屋では、舞妓の千賀鈴が舞を披露していた。
舞が終わると同時に、それを見ていた小五郎が「ぃよっ、千賀鈴ちゃん日本一!」と拍手を送った。その部屋には、山能寺で会ったあの3人もいる。
千賀鈴がたおやかにお辞儀をする。

「ささ、毛利先生にお酌して!」
「へぇ」

山能寺の住職である竜円に言われた千賀鈴は、そっと小五郎の傍らに座った。千賀鈴に見とれてぼーっとしている小五郎に、千賀鈴はにこやかに「ごめんやす」と声をかける。慌てて小五郎はおちょこを手に取った。

「いやぁー、小五郎ちゃん天にも昇りそう〜♡」
「そのまま昇ってったら?」

千賀鈴がそう言ったわけではない。言ったのは──蘭だ。
出入り口の所にみんなで固まっている。

/ 493ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp